3/10(火)『共生から<場所>をまなざすーー制作、アート、アーレント』トークイベント

全体主義の時代を生き、崩壊しつつある世界を目の当たりにしながらも、他者とともに生きる世界の存続を願った思想家ハンナ・アーレント。

ときに難解なアーレントのテクストをひもとくために、金沢・長町に所在する書店6号室と香水製造所BLISS Natural Perfumeryは朗読と調香のワークショップ「アーレントからはじまる言葉と香りの[はじまり]」を昨年、数回にわたり開催しました。

本イベントでは、アーレント研究者 二井彬緒さんをお招きして、アーレントが初期に唱えたパレスチナ人=ユダヤ人による共生国家論、共生の思想を<場所>の観点からご講演いただきます。自らも約18年間、<場所>を喪失した無国籍者として過ごしたアーレントにとって、<場所>は生きるための切実な理論であり実践でした。

第二部ではアーレントが目指した共生の<場所>を可視化するための制作、アートが果たす役割は何か――。アーレント代表作『人間の条件』の中で考察された3つの行為様式 - labor労働・work制作・action活動 - そのなかで近年その重要性が注目されている[制作]に焦点を当て、ファシリテーター星野太さん、ゲスト岸桃子さん・冨樫洋乃輔さんと共に、金沢・近郊での実践例を交えながら思索を深めます。

<10・7>以降激化するパレスチナ/イスラエル問題、過熱する排外主義、世界各地で深まる分断や対立を見つめながら、今もなおアーレントが私たちに問い続けるもの-「自分たちが行っていることは何であるのかを思考すること」-を共にする時間となれば幸いです。

ハンナ・アーレント(1906-1975)
思想家。ドイツのユダヤ系家庭に生まれる。ハイデガーやヤスパースらに師事。ナチス政権が樹立した1933年フランスへ、1941年アメリカへと亡命。1951年『全体主義の起原』を発表、アメリカ市民権取得。その他の代表作に1958年『人間の条件』、1963年『エルサレムのアイヒマン』など。

トークイベント『共生から<場所>をまなざす――制作、アート、アーレント』

日時:2026年3月10日(火) 18:30開場 19:00開演 21:00終演
会場:金沢21世紀美術館シアター21(石川県金沢市広坂1-2-1
参加費:一般1,000円、学生500円
ご予約:お申込みフォーム・当日券有

第一部:二井彬緒氏講演「共生の<場所>とは何か――アーレントとパレスチナの場合」(45分)
***休憩(15分)***

第二部:対談「共生から<場所>をまなざす――制作、アートの可能性」、Q&A(60分)
ファシリテーター:美学者/星野太、ゲスト:アーティスト/岸桃子、戦後民衆運動史研究者/冨樫洋乃輔

登壇者プロフィール

二井彬緒(ふたい・あきを) 1993年生まれ。社会思想史。東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム助教。博士(国際貢献)。主な研究テーマはアーレントとパレスチナ/イスラエル問題。近刊に『ハンナ・アーレントと共生の〈場所〉論:パレスチナ・ユダヤのバイナショナリズムを再考する』(晃洋書房、2025年)。

星野 太(ほしの・ふとし) 1983年生まれ。美学、表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科准教授。著書に『崇高と資本主義』(青土社、2024年)、『食客論』(講談社、2023年)、『崇高のリミナリティ』(フィルムアート社、2022年)、『美学のプラクティス』(水声社、2021年)、『崇高の修辞学』(月曜社、2017年)など。

岸 桃子(きし・ももこ) アーティスト。金沢美術工芸大学大学院彫刻専攻修了。身近なものを手がかりに、遠い場所や人でないものを含む「他者」を想像するための行為をパフォーマンスとして発表する。並行して、社会運動にアーティストとして関わる方法を探り続けている。近作に、『太陽を指差す』(2026)『山の石に海を見せる』(2025)がある。

冨樫洋乃輔(とがし・ひろのすけ) 2001年生まれ。戦後民衆運動史、内灘闘争の記憶を聞き取り調査。 一橋大学大学院社会学研究科修士1年。金沢大卒。学生寮の存続を求める運動をきっかけに住民運動に関心。

主催:6号室・株式会社BLISS
後援:北陸中日新聞
助成:アーツカウンシル金沢

イベントに関するお問い合わせ:blissnaturalperfumery@gmail.com 株式会社BLISS 茂谷あすか