2025年12月20日。今年最後の新月。昨夜金沢より三重・伊勢志摩へと到着しました。伊勢には祖父母宅があり、幼少期たびたび訪れた心のふるさと。伊勢の言葉に触れると、たちまち温かな気持ちに包まれます。
2025年を振り返って
今年最初の満月に奥能登で集めた八重桜の香りを抽出しました。塩蔵することで八重桜の成分が加水分解されて生成されるクマリンは甘く滑らかで芳醇な香り。その八重桜のエッセンスを用い、同じく奥能登・珠洲の海岸で拾った石でアロマストーンをつくるRite of Passage 春の追憶プライベートワークショップを行いました。
3月に伊勢、6月に熊本にて出張ワークショップを開催。調香を通して自分の嗅覚と感性に集中する時間は、日常の喧騒から離れて身体も心も解放するひととき。あのときにつくった香水は時を経てどんな香りへと熟成しているのでしょうか。
新しいワークショップの試みとしては、ご近所の書店・6号室にてハンナ・アーレントの朗読と調香ワークショップを開催しました。アーレントが唱えた「生きるとは、ひととひとのあいだに存在すること」が真に意味することに想いを馳せながら、考えを巡らし、辿りついた思考を香りとして記録する。香りが過去をよみがえらせるように、記録媒体としてあのとき確かに感じたものを何度でも再現できるように。
夏には季節の手仕事として、Rite of Passage ワークショップを。エネルギー溢れる素材たちを用いたサマースプレーとケアオイルは予想以上に活躍していたことをお聞きして、嬉しい限りでした。
今年は香水OEMのお仕事も複数件いただき、初めて挑戦することもいろいろ。BLISS として調香の仕事をはじめて10年、今度は香水をつくりたい!という方のお手伝いができることを幸せに思います。
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新月の今日はお世話になっているYさんの真珠養殖所にて真珠の貝剥きという、アコヤ貝から真珠を取り出す作業に参加させてもらいました。来春に予定している、とある展示企画にてご紹介できればと思っています。
今年は12月に入っても暖かな日が多く、本当に年が越えられるのかまだふわふわとしています。とはいえ、時節は師走。どうかみなさまよいお年をお迎えください。今年もパフューマリー通信にお付き合いくださりありがとうございました。
BLISS 茂谷あすか

Photo by Daichi Misaki

