2026年文月新月。梅雨らしくない梅雨の中、今日の北陸は今年一番の暑さの予報。どうかみなさまお身体に気を付けてお過ごしください。
科学者と芸術家 - 寺田寅彦随筆集より
寺田寅彦(1878-1935)は物理学者・随筆家で、数々の美しい随筆を残しました。時折、寅彦の美しい日本語に無性に浸りたくなるときがあります。「科学者と芸術家」は両者の共通点をひとつひとつ粒さに挙げて論じる試みですが、そのなかに「……芸術家は、科学者に必要なと同程度、もしくはそれ以上の観察力や分析的な頭脳をもっていなければなるまいと思う。」というくだりはあまりにも本質をついているようでした。
例えば、陶芸作家が想像以上に素材や製法と向き合われていること- 焼成温度や時間による仕上がりの違いなどを研究し - 独自の造形や曲線の創造を生み出し具現化するために実に緻密で丹念な観察と分析を繰り返していること、
また、先日アコーディオンとコントラバスのユニットmama!milkレコードコンサート後のトークで、アコーディオン奏者の生駒祐子さんがデュオや即興的な演奏のコツを問われて即座に「(相手の)音をよく聞くこと」「その音がどんな風に反響するのか想像すること」-音の観察と分析を瞬時にやってのけていること、
それはわたしが調香において、ひたすら香りを「聞く」こと-ひとつひとつの香料をよく観察し、この香料を加えたらこう変化する、とか、この配合にするとこういう香りになるのではないか、など、実験と観察と分析をひたすら繰り返す地道な作業と相通じていました。
香水は科学と芸術の融合と言われていますが、実はその両者を隔てるものは元々なくて、調和の美という同じ命題を起源としているのではないか。仮説の検証はこれからも続きます。
けしきの香り-7/20(月祝)ルームフレグランスワークショップ

ガラス作家鹿田洋介さん個展のテーマ「気色-けしき」からうまれた、色彩豊かな一点物のガラス瓶。その中からお気に入りの一本を選び、色から想起される香りを調香する、ガラスと香りが出会うワークショップです。わたしのアトリエからは-赤・青・緑・紫・黄- 鹿田さんのガラス作品から想起されるけしきの香りのアコード5種類をご用意し、自分だけの香りのけしきを調香いただきます。
日時:2026年7月20日(月祝)10:00-12:00/14:00-16:00
会場:御宿長町家(開場10分前にatelier&gallery creava店頭にお立ち寄りください。)
費用:18,700円/名・税込
内容:オリジナルルームフレグランスの作成
お申込みは
atelier&gallery creava(creava2016@gmail.com)
またはBLISS(blissnaturalperfumery@gmail.com) まで。
鹿田洋介個展「気色 けしき」
会期:2026年7月11日(土)~26日(日)
会場:atelier&gallery creava(金沢市長町2-6-51)
鹿田さん個展ではフレグランスボトルやBLISSの香水をイメージしてくださった香水瓶も展示しています。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
パルファン1001 Nights 香水30mL完売御礼
有難いことに最近海外の香水ファンの方が来日のたびにBLISSのたくさん香水を購入してくださり、先月補充した香水の在庫がすっかりなくなってしまいました。オンラインストアに掲載していたパルファン1001 Nights <香水> 30mLは完売、パルファンAmor Mundi<香水> 30mLは残り1点となりました。

原料作物の不作や円安などにより、年々原料の入手が困難・価格高騰していますが、特にネロリについては昨年に引き続き入手が難しく、しばらくはパルファン1001 Nightsの再制作ができないことが分かりました。アトリエ・イベント販売用の10mL少量サイズの香水は各数本ずつ在庫がありますので、ご興味ある方はお問い合わせください。
BLISSは小さなパフューマリーですが、無名であるからこそ、原料は最上のものを使うことにこだわり続けています。
BLISS Natural Perfumery
茂谷あすか
Profile
1982年生まれ。2006年英University of East Anglia卒業。株式会社QUICK、三井物産株式会社勤務を経て、2015年より調香の仕事を始める。2019年東京理科大学卒業。2021年石川県金沢市にてパフューマリーを設立。自然香水の製作を行う。


