葉月新月のパフューマリー通信。厳しい残暑が続くものの、空は高く、雲には秋の気配が感じられるようになりました。Global Boiling(地球沸騰化)への警鐘が鳴る今夏、朝晩の虫の音に出会う喜びは癒しであり未来へ繋ぐ希望に感じます。
本日のパフューマリー通信は新しい香水ブランド≪Rite of Passage ライツ・オブ・パッセージ≫ の自然香水シリーズ「Luminary ルミナリー」、そしてBLISSの香水ブランド≪BLISS Natural Perfumery≫新作発表の関連イベントについて。
『Rite of Passage / Luminary』
Rite of Passageとは通過儀礼を意味します。古代より世界中のあらゆる地域や宗教において、人が誕生してから一生を終えるまで、あらゆる儀式を通して、重要な節目を迎えてきました。
≪Rite of Passage≫で私たちが提唱するのは日々の通過儀礼。喜びも、情熱も、憂いも、哀しみも、全ての感情を慈しみ、包み込む、香りの儀式です。
誕生から1年掛けて制作したシリーズ 「Luminary」とは「光を与えるもの」の意。ラテン語の光 Lumenを語源に持ち、占星術では太陽(昼の支配者)と月(夜の支配者)を示します。
古代の広大な海原での航海のように。そして21世紀の今、多くの情報や経験で見失いがちになる本当の自分と再び出会う旅路へと旅経つために。太陽と月と羅針盤のように、御守となるような香水を目指しました。
Luminary 太陽と月と羅針盤 BOXは、本日の新月からご予約を開始いたします。
詳細のご案内、ご予約方法は WORDROBE オンラインストア をご覧ください。。
『ハンナ・アーレント映画上映会』
BLISSでは今秋の新作香水の発表に関連して、映画『ハンナ・アーレント』の自主上映会を開催いたします。
映画『ハンナ・アーレント』上映会
日時:2023年9月29日(金) 18:30開場 19:00開演(21:00終演予定)
入場料:1,000円(事前予約の方に香水サンプル贈呈)・当日券有
ハンナ・アーレント(1906-1975)は、20世紀を代表する女性哲学者です。ドイツのユダヤ系の家庭に生まれ、1933年ナチス政権が樹立するとパリへ、1941年アメリカへと亡命。代表作に1951年『全体主義の起原』、1958年『人間の条件』、1963年『エルサレムのアイヒマン』などがあります。
映画は1960年代初頭イスラエルで行われたナチス戦犯アドルフ・アイヒマンの歴史的裁判に立ち会い、レポートを発表、その衝撃的な内容に世間から激しい非難を浴びた”事件”を軸に、波乱に満ちたアーレントの人生を描きます。不屈の精神で逆境に立ち向かい、悪とは何か、愛とは何かを問い続けた、哲学者アーレントの感動の実話です。
アーレントの軌跡をたどりながら、どのようにしてより良い世界を未来世代に残していくか、多種多様な社会・自然界と共存していくか。映画を通して、一人でも多くの方にアーレントを知っていただけたら、それぞれに思考を紡いでいただけたらと願い、このたび自主上映会を開催する運びとなりました。当初は映画上映会など全く考えていなかったのですが、様々な偶然が重なって…斯様な機会をいただきました。どなたさまもお気軽にご参加いただけますと大変嬉しいです。
映画『ハンナ・アーレント』予告編
映画のお申込みはお申込みフォームまたはメールよりお願いいたします。
『香水御披露目会・トークイベント』
映画上映会の翌週は、新作香水『パルファンAmor Mundi』御披露目会と兼ねて、日本アーレント研究会・大形綾さんをお招きして、少人数制のトークイベントを開催します。
トークイベント『ハンナ・アーレント その生涯と世界への愛』
日時:2023年10月8日(日) ① 11:00-12:00 ② 13:00-14:00
会場:garten ガルテン(石川県金沢市東兼六町1-26)
内容:講演45分+Q&Aなどディスカッション15分
定員:定員8名 /各回(予約制)
参加費: 500円(コーヒー・資料代)
※ 香水御披露目会は出入自由・入場無料です。
私もアーレント入門者(超初心者)のひとりです。彼女の著作にはめまいがするような難しさを感じるものの、直感的に彼女の勇敢さに憧れ、少しずつ理解を深めている最中です。アーレントについて、彼女が晩年唱えた「世界への愛 <Amor Mundi>」について、一緒に探求できましたらこの上なく幸いです。