パフューマリー通信 Vol.28

7月。蟹座新月のパフューマリー通信。夏至、夏越の祓を経て、2024年の後半を迎えました。そしてまた、元旦に発生した能登半島地震から半年。もう半年、まだ半年。皆様にとって、どのような半年でしたでしょうか。

『クラリセージ』

蟹座を象徴する植物のひとつとして挙げられるクラリセージ。古代から薬効の高さで知られ、ドイツでは香りの良さからワインの香り付けにも使われてきました。香水の原料としてよく使用される天然香料のひとつであり、やや重ためのフローラルハーバル、スパークルワインのようなきらめきと辛口さがあります。

クラリセージの学名 Salvia sclarea(サルヴィア・スクラレア)。sclareaの語源はラテン語 clarus に由来し、明るく、清らかの意です。由来のひとつとして、クラリセージの種子から得られる粘液によって目の異物が取り除き目を清浄にすることが挙げられ、中世ではキリストの眼とも呼ばれていました。clarus の女性名が Clara クララ。BLISS Natural Perfumery 1st Collection 次作香水を捧げる勇敢な女性 クララ・シューマンとクラリセージが緩やかに繋がる瞬間。クララの物語に想いを馳せるとき、クラリセージの香りが欠かせないのはその香り高さだけでなく名前の語源にもあったのだと導きを得ながら処方を進めています。

クララ・シューマンに捧げる次作香水は今年12月に発表予定です。香水の御披露目会として、今回は小さな演奏&朗読会を計画しています。クララ・シューマンにゆかりのある作品の演奏と書簡集の朗読を通して、クララの人生を音と香りで辿れたら。これから夏本番ですが、私の心は既に夏を越えて数ヵ月先に飛んでいます。

『Blog 開設のお知らせ』

先日BLISS Natural Perfumery のブログを開設しました。これまでのパフューマリー通信のバックナンバーもご覧いただけます。覗いていただけましたら嬉しいです。

2024年後半の最初の新月。そして明日は七夕。

世界が穏やかで優しい場所でありますように。

そして、皆様のご健康と幸せを心よりお祈り申し上げます。