パフューマリー通信 Vol.41

2025年7月獅子座の新月。二十四節気の大暑を迎え、全国各地で深刻な暑さが続いています。金沢ではここ数週間熱帯夜が続き、暑さに慣れてきたとは言え、身体には大きな負担が掛かっています。どうかみなさまご無理なさいませんよう、ご自愛くださいね。

今年の梅雨は雨も少なく、山の畑はカラカラですが、そんな中でもオレガノは旺盛に育ち、たくさんの花を咲かせてくれました。今日はオレガノについてご紹介します。

オレガノ

オレガノの学名 Origanum vulgare はギリシャ語のOrus(山)とGanus(喜び)の複合語Origanum(山の喜び)に由来し、英語の古い呼び名 Joy of the Mountainにも繋がります。抗菌作用に優れ、王や高貴な人々のミイラ作りの防腐剤として使われてきました。別名Wild Marjoramとも言われ、ハーブ療法やアロマセラピーが日本に紹介された当初は近縁種でもあるSweet Marjoram(スイートマジョラム)と混同されるケースもありましたが、両者は全く別の品種です。

料理にも欠かせないハーブのひとつ。ピッツァやスパゲッティ、トマトソースにはもちろんのこと、鶏肉・豚肉などのお肉料理、卵料理、パイの香り付けなど幅広く用いられ、南仏のハーブ・ド・プロヴァンス Herbes de  Provenceにも入っています。

耐熱性・耐寒性があり、豪雪地帯でもある北陸の山間地でも無事に冬を越し、2年目の今年は赤紫や白色の房状の花がたくさん咲きました。蜜蜂や蝶々もどこからともなくやってきて、畑の一角に祝福を与えてくれました。

花がついた全草を刈り取り、数本を束ねて直射日光の当たらない場所で逆さにつるして1-2週間乾燥させた後は、葉と花を茎から取って密閉容器で保存。オレガノの葉と花のお茶は、量が少なめなら安眠のための鎮静作用、量を倍にすれば消化促進作用や強壮作用があり、食前に飲用して食欲増進剤としてもよいとフランスの植物療法家 故モーリス・メセゲ氏の著書にあります。

オレガノは精油も採れるハーブですが、フェノール臭の強い香りで、刺激も強いため、香水・フレグランスに使用することはありません。なお、クローブ(丁子)も同じくフェノール類含量が多いエッセンシャルオイルですが、ごく少量用いることで全体に勢いが現れ、香水の処方に使われる天然香料のひとつです。

夏のフットバス

夏はシャワーだけの方も多いかもしれませんが、フットバスは血流もよくなるのでおすすめです。

炭酸ガス効果のフットバス

材料:精油 2滴・重曹 大さじ3・クエン酸 大さじ1
使い方:大きめのボウルにお湯を張り、材料を全て入れて溶かします。

ペパーミント精油を用いれば、ほてりを冷ます効果もあります。
すっきり寝付けなかった起床後や外出後などにも。
とても簡単なので、ぜひお試しください。